ちょうど3ヶ月前になる2月6日にOBの永井啓裕さんから今日の演奏会のために記念曲作曲の打診を受けました。明高音楽部とは四半世紀の空白があり、このような形での再開は願ってもないこととなりました。
作曲にあたって留意したことは、さまざまな世代や時代を超えて親しめる主題とハーモニーをつくりつつも、構成やオーケストレーションは独自性を出すこと。つまり、素材としてはたとえ映画音楽やゲーム音楽を想起させても、決してありがちで安っぽくならないような味付けをしたいと考えました。
タイトルの「遥かなる時空の黎明」とは、計り知れないような大きな足跡を持つ素晴らしさと、さらなる未来をつくる大きな可能性を讃える意味から名付けました。また曲に果てしなく続いて行く時の流れを意図し、末尾も敢えて長い終始を避けました。
延原正生
文章:明石高等学校音楽部第24回定期演奏会プログラムより
写真:堀 泰憲さん
録音:和田 節(高27回、Hr) (←クリックするとお聞き頂けます)
その誕生や名前の変遷(「校庭行進曲」・「マーチ」→1947年「若き日の歓び」)にはとても謎めいたものを感じます。明石中学の先輩に伺ったのですが、戦時中、有永先生は行進曲「双頭の鷲の旗の下に」などのドイツ・マーチは演奏したが、スーザをはじめとする英米の音楽は「敵性音楽」として演奏を禁じていた。元は外国の曲のドッソは、部員たちとも単に「マーチ」と呼んで盛んに演奏されたそうです。
確認されているものだけで7種類あるドッソから音楽部が代々書き写してきた「伝承版」、合唱を加えた「合唱付き」、今年OBが演奏した「原典版(1952年県警音楽隊版)」、大崎さんの新作 DO SO FOREVER の音源を並べてみました。
「伝承版」 明石高校音楽部 1964(昭和39)年1月23日 明石高校中部講堂
「合唱付き」 明石高校合唱部・音楽部・OB吹奏楽団/大崎健一 2005(平成17)年5月5日 明石市民会館大ホール
「原典版」 明石高校OB吹奏楽団/大崎健一 2009(平成21)年5月6日 明石市民会館大ホール
DO SO FOREVER(ドッソよ永遠なれ) 明石高校音楽部・OB吹奏楽団/大崎健一 2009(平成21)年5月6日 明石市民会館大ホール
写真は原典版の演奏風景。トランペットを除きパートは各1名、フレンチ・ホルンは安価で音が鋭く決まるアルト・ホルンに持ち替えて演奏しました。(写真をクリックすると大きな写真が見られます。)
撮影:堀 泰憲さん
Film Scan:白星久男さん
録音:
(1964年)毎日放送(JOOR)「朝の吹奏楽」
(2009年)和田 節(高27回、Hr)
1.日時:平成21年5月6日(水・祝)12:30開場、13:00開演
2.場所:明石市民会館大ホール
3.曲目
第1部(現役)
指揮:鈴木龍仁
・レハール/喜歌劇「メリー・ウィドウ」セレクション
・バーンズ/アルヴァマー序曲
・スパーク/祝典のための音楽
第2部(OB)
指揮:大崎健一
・結城 満彰 編/行進曲「若き日の歓び」(原典版)
・R.シュトラウス(ハロルド・ワルターズ 編曲)/ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら
第3部(現役)
・音楽劇「笑劇!!いその家の食卓」
第4部(現役・OB合同)
指揮:延原正生
・延原正生/遥かなる時空の黎明(はるかなるときのれいめい)[委嘱作品]
http://music.geocities.jp/nobucompo/
指揮:大崎健一
・スーザ/行進曲「雷神」
・アルフォード/行進曲「ナイルの守り」
・プランケット(ラウスキ 編曲)/「サンブル・エ・ムーズ連隊」行進曲
・タイケ/「ツェッペリン伯号」行進曲
・大崎健一/DO SO FOREVER(ドッソよ永遠なれ)
(アンコール)
・グレインジャー/ロンドン・デリーの歌(デリー地方のアイルランド民謡)
・行進曲「若き日の歓び」(栗山和樹 編曲版+伝承版)
中村美樹さん(高33回、Cl)の息子さん撮影、舞台写真集
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鈴木達二郎先輩(中16回、大バス)から昭和17(1942)年の音楽部の一対の写真をお借りしました。先輩のお話によりますと、戦時中で入部希望者が少なく、前年には部員17名だったところ、お得意のデザインセンスを駆使してポスターを作成、部員募集をしたところ新入生が一挙に16名も入部。2年生には山手照夫先輩(中19回)もおられて、有永先生と呉幸五郎先輩(中13回)の薫陶のもと全員仲良く音楽=リズム・メロディ・アンド・ハーモニーを追求した結果がこの写真となったそうです。(写真をクリックすると大きな写真が見られます。) |