[2015][2017][Return]

2016(平成28年)

薮内良治さん(高35回Tpt)キリンビールCMに登場!

音楽部第31回定期演奏会

日時:平成28年5月5日(木・祝)16:00開場、16:30開演
場所:明石市民会館大ホール
指揮:鈴木龍仁・雨堤沙耶・大崎健一

第1部(現役)
・ヴァンデルロースト/アルセナール
・山本雅一/スペインの市場で
・マスネ/歌劇「タイス」より

第2部(現役)
 音楽劇『千と千尋の神隠し '16』
 ポップスステージ
・チャイコフスキー作曲/宮川成治編曲/白鳥の湖 Brass Rock
・ブラウン/A DISNEYLAND CELEBRATION
・大野雄二作曲/黒川さやか編曲/ルパン三世のテーマ〜Brass Collection Ver.〜

第3部(OB)
・ヘルツァー/行進曲「ハイデックスブルク万歳」
・スーザ/行進曲「美中の美」
・フィルモア/行進曲「ヒズ・オーナー」

第4部(現役・OB合同)
・須摩洋朔/行進曲「鬨の声」
・ヘイゾ/オリンピアーダ
・芥川也寸志/交響管弦楽のための組曲

アンコール
・シェルツァー/バイエルン分列行進曲
・有永正人作曲/栗山和樹編曲/若き日の歓び


有永正人先生没後50年特別演奏曲、行進曲「鬨の声」について 

 行進曲「鬨(とき)の声」は、明石高校OB吹奏楽団が第10回全日本吹奏楽コンクールより三連覇を果たした最初の年、1962年の課題曲です。当時のOB吹奏楽団は、この課題曲と自由曲にグノーの「歌劇『ファウスト』から」を顧問の有永正人先生(1905-1966)の指揮で演奏しました。有永先生が後にご自宅で病床に伏していらっしゃる時、この2曲の録音テープを何度も何度も聴いておられたとのことです。明石高校音楽部の育ての親であるとともにOB吹奏楽団の生みの親でもある有永先生が亡くなられて今年で50年となります。そのため「鬨の声」を特別演奏曲として演奏することとなりました。






















 作曲者の須磨洋朔(すま ようさく、1907-2000)は戦前の陸軍軍楽隊の軍人で、曲は1939年に「勝鬨」というタイトルで作曲、戦後「歓声」と改題、さらに吹奏楽コンクールの課題曲「鬨の声」として出版されました。須磨洋朔は戦後に出来た陸上自衛隊中央音楽隊の初代楽長となり、1964年東京オリンピックでの音楽に関する最高責任者として1960年のローマオリンピックでは、日本政府からの派遣により、イタリアのカラビニエリ吹奏楽団を初めフランスのギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団、パリ警視庁音楽隊など7か国の軍楽隊を視察しました。中でもギャルド(楽長フランソワ・ジュリアン・ブラン少佐)は須摩洋朔が一佐(大佐に相当)であったため最高の待遇で迎え、午前中は吹奏楽、午後はグランドオーケストラの演奏を須磨一人のために聴かせてくれたといいます。

 そのギャルドが1961年11月にフランス美術展に協賛して初来日公演を行い、11日の東京文化会館でのコンサートでは、ブラン楽長の好意により、須磨は自身の作曲した大空行進曲と「禿山の一夜」を客演指揮。当夜の演奏は伝説的な名演となりました。それにあわせ16日、杉並公会堂で録音された「ディオニソスの祭り」と「牧神の午後への前奏曲」のレコードは、日本の吹奏楽に長く大きな影響を及ぼすこととなりました。


(写真と話の内容は晩年の須磨洋朔を自宅に訪ねられたギャルド・レピュブリケーヌ研究家、木下直人さんから頂いたものです)




 OB吹奏楽団がギャルドと接近遭遇したのが翌日11月12日、東京台東体育館で行われた第9回全日本吹奏楽コンクール。その年の課題曲はゴールドマンの行進曲「ジュビリー」と自由曲はチャイコフスキーの交響曲第6番『悲愴』の第3楽章「行進曲」。一般の部最後の団体でした。ギャルドはOBの演奏が終わったあとに同じ台東体育館の舞台に登場して特別演奏を行いました。曲目は「ダッタン人の踊り」と「牧神の午後への前奏曲」の二つ。















 舞台裏ではギャルドの演奏を聞き逃すまいと客席に急ぐOB楽団員に青い軍服を着たギャルドの面々がニコニコと声をかけてくれたといいます。ギャルドの演奏を聞いたユーフォニアムの田中先輩(高校10回)は「俺たちはまだまだあかんな」と感じたとか。当時のギャルドがいかにずば抜けた存在だったかが判ります。写真は明石高校の現役放送部員が帯同して撮影した8ミリフィルムからとったもので、亡くなった高雄弘文先輩(高13回)から頂いたものです。当時のギャルドで特徴的だったサクソルンバスや第1ホルンのブーティーユが見えます。











■明石高校OBのグノー「ファウスト」はこちらでお聞きいただけます
■行進曲「歓声(鬨の声)」の出来た経緯はこちらのYouTubeに木村隆さんが詳しくコメントされています



[2015][2017][Return]